赤血球の変態能を高めて、酸素を隅々に運ぶ、黒梅は優れた血流改善素

血流状態が悪いと、手足の冷えやしびれ、肩こり、むくみ、疲れといった不定愁訴を訴えます。誰にでも起こる症状ですが、特に女性の日和見的な症状としてみられます。

昨今、小学生の間でも冷えや肩こりに悩む子供が増えているとのことです。ストレスを抱えての運動不足、現代人の悪習慣が主たる原因とされています。

これらの症状を根底から改善するのは、適度な運動が一番ですが、黒梅エキスも効果的です。

血流悪化が招く症状

血流が悪くなると酸素や栄養が身体中に十分に行き渡らず、不要な老廃物が過剰に溜まった状態になってしまいます。

次のように肩こりや腰痛をはじめ、様々な症状の原因になるのです。

  • 手足の冷え
  • 手足のしびれ
  • 肩こりや頭痛
  • 足腰の痛み
  • 疲れやすい
  • 足がつる
  • 足がむくむ
  • 目の疲れ
  • 食欲がない
  • 肌の乾燥、
  • 抜け毛
  • 生理痛

これらは血流の悪さから起こりやすい日和見的な症状で、女性に多いようです。

一般的な血流障害

このような症状があれば、先ずは身体を冷やさない、軽い運動をしたり、腰湯に浸かったりする。

更にストレス解消や食生活の見直しをして、日頃から血行改善に努める必要があります。

その他、黒梅も優れた血流改善効果をもっています。

黒梅は烏梅(うばい)とも呼ばれます。表面の色がカラスのように黒いため、黒梅あるいは烏梅と呼ばれるようになりました。

黒梅は中国の古典医薬書である「本草綱目」にも記載があるほど古くから利用されてきた素材で、日本に伝わったのは今から約1500年前です。当時、遣隋使として隋の国に派遣されていた小野妹子等が初めて黒梅を日本に持ち帰りました。実は、生薬としての黒梅のほうが植物の梅よりも先に日本に伝わってきたのだそうです。

一般的な含有成分としてはクエン酸やコハク酸、リンゴ酸などの有機酸が知られています。

クエン酸類はエネルギーをつくり出すクエン酸回路を活性化するので、エネルギーの補給や乳酸などの老廃物の排出に役立ちますので、疲労回復や筋肉のコリの改善に効果が期待できます。

更に黒梅には抗菌・抗真菌作用があります。そのため、食べ過ぎや飲み過ぎ、吐き気、消化不良による下痢などに用いています。

また、最近黒梅中の抗酸化作用や血管拡張作用、LDL-コレステロール降下作用、抗糖化作用のあるクロロゲン酸などのポリフェノール類や、血液の流動性を高めるムメフラールが脚光を浴びています。

赤血球は毛細血管に入るとき、形態を丸から細長い棒状に変化させます。そうしないと細い管の毛細血管をくぐりぬけることができないからです。

毛細血管

これを変態能と呼びます。加齢とともに変態能が弱まり、組織に酸素を運びにくくなります。

そうなると脳でも肺でも胃腸、腎臓でも新陳代謝が低下して、老化に拍車がかかってしまいます。ムメフラールは赤血球の変態能を高め、毛細血管の流れを改善する優れた成分なのです。

また、黒梅中のクロロゲン酸などのポリフェノール類はLDL-コレステロールの生成を抑えるとともに酸化を防ぎ、血管を拡張させる作用も期待できます。

黒梅は理想的な血流改善素材なのです。

更にケイケットウ、ウコン、サンザシなどを配合すると効果的な薬膳になります。

ケイケットウは漢字で鶏血藤と書きます。古くから瘀血を改善すると言われています。

瘀血とは血流障害を意味します。最近では腎臓の血流を良くして腎動脈硬化を予防するという報告もあります。ウコンは酒飲みの肝臓保護に役立つと言われていますが、薬膳の世界では瘀血を改善し、気分を明るくするために利用されています。

サンザシも古今東西、血流を改善すると言われ、ヨーロッパでは狭心症や心筋梗塞の予防に定評があります。東洋では血流改善はもとより、夏バテ予防の酸梅湯(さんめいたん)の主要成分として配合されています。下段に各素材の説明があります。

黒梅エキスの血流改善効果を検証

1.先ずは黒梅エキスの動脈硬化を抑制する作用に関する試験管内の実験です。

動脈硬化を発生させる因子としてLDL-コレステロールの酸化があります。

そこで、黒梅の抗酸化能をDPPH ラジカル消去活性という方法で調べました。 結果は表1に示すように少量でも抗酸化能を示し、用量依存的に増加していました。ビタミンCに匹敵する抗酸化能でした。

表1

DPPH ラジカル消去活性能

2.次に同じく試験管内の実験ですが、抗糖化作用を調べました。

糖化とは、血中の糖質が血管のたんぱく質などと結びつき、AGEs(糖化最終生成物)という老化促進物質を生成します。

これが内皮細胞を変性・劣化させ動脈硬化を促進させてしまいます。

したがって、抗糖化作用があると、動脈硬化を抑制できる可能性があります。特に糖尿病による動脈硬化の抑制が期待されます。

結果はグラフ1に示すように抗糖化活性が認められました。

グラフ1

黒梅エキスの抗糖化活性

黒梅エキスにケイケットウエキスなどを配合した試験剤の血流改善効果に関する効果

1.先ずは臨床では抹消血流に対する作用を複数の医療機器を用いて調査しました。

食事療法を診療に取り入れている医師らは、黒梅エキスにケイケットウエキス、ウコンなどを配合した試験サンプルの末梢血流に与える作用を調査しました。

サンプルを飲む前と、飲んで7日経過した後に、サーモグラフィー(株式会社アピステ製FSV-7000E、以下サーモグラフィー)による右手背の皮膚温の測定、血圧脈波計(フクダ電子製バセラVS-1000)による動脈の硬さの程度(CAVI)の測定、並びに筋硬度計(有限会社トライオール製NEUTONE TDM-N1/NA1)による僧帽筋の硬度測定、クロバーメジャー(ガラス繊維使用)によるくるぶし周囲径の測定を行いました。

尚、サーモグラフィーによる右手背の皮膚温の測定は、右手背を20℃の冷水に2分間浸水させた負荷直後から15分間(900秒間)行い、その間の皮膚温変化と、負荷後の皮膚温が負荷前の皮膚温に戻るまでの時間を測定しました。

サーモグラフィーによる判定は、冷水負荷後の皮膚温が冷水負荷前の皮膚温に戻るまでの時間を測定し、サンプル未服用時と比べて早かった場合を血流回復時間が速いとし、血流改善効果があるとしました。

血圧脈波計による動脈の硬さの程度(CAVI)の測定も、同様にサンプル未服用時の数値を基準とし、それと比較することで判断しました。

筋硬度計による僧帽筋の硬度測定、並びにクロバーメジャーによるくるぶし周囲径の測定もサンプル未服用時の数値を基準とし、その数値が下回る場合を肩こり改善効果があるとしました。尚、くるぶし周囲径を除いて、全結果の測定値±5%を誤差としました。

以上が試験方法の詳細です。

その結果ですが、サーモグラフィーによる皮膚温測定の測定は「表1」に示す通り、改善率は8割に及びました。

血圧脈波計による動脈の硬さの程度(CAVI)の測定も、「表2」の通り、改善率は7割を示しました。僧帽筋の硬度の測定やクロバーメジャーによるくるぶし周囲径の測定は、それぞれ「表3」「表4」の通り、9割という高い改善率でした。

統計処理に関しては、Wilcoxonの符号付順位和検定を用いて行いました。

サーモグラフィーの検査結果は有意傾向がみられ、くるぶし周囲径の測定結果や僧帽筋の硬度の測定結果は明らかに有意差が確認されました。

これらのことから、緑豆や黒梅を主材にしたサンプルの末梢血流促進作用が示唆されのです。血圧脈波計による動脈の硬さの程度(CAVI)の測定結果では有意差はありませんが、改善傾向を示していました。

表1 サーモグラフィー 単位:秒

表1サーモグラフィー

検定結果:0.05 < P < 0.10 有意傾向あり
(※Wilcoxonの符号付順位和検定)

表2 CAVI 左側

表2CAVI

検定結果: P >0.10 
(※Wilcoxonの符号付順位和検定)

表3 僧帽筋硬度 右肩

表3僧帽筋硬度右肩

検定結果:P < 0.01 有意差有 
(※Wilcoxonの符号付順位和検定)

表4 右足首の周囲径の測定

表4右足首の周囲径の測定

検定結果:P < 0.01 有意差有 
(※Wilcoxonの符号付順位和検定)

2.次に医師等は、日和見的な血流不全の症状に対する効果も確認しました。

手や足の冷えがあり、むくみや肩こりなどの症状を訴える者16名(女性14名、男性2名)を対象にしました。

1ヵ月間試験サンプルを飲んでもらったあと、それぞれの症状がどのように変化したかを調査しました。評価は次の通りです。

著効は完全、あるいは殆ど症状が消失した者、有効は改善、あるいは改善傾向にある者、不変は全く症状の改善がみられない者、悪化は症状が更に悪くなった者としました。また、改善率は四捨五入した数値を記入しました。

結果は表5に示すように症状で改善がみられました。

特に冷えやむくみ疲労感については80%以上の改善率でした。1.の医療機器を用いた調査と同じような結果が得られました。

表5 日和見症状の改善度

表5日和見症状の改善度

このように黒梅は単品でも優れ薬膳素材ですが、更に相性の良い素材を追加すれば、漢方に準ずる効果が期待できます。

東洋医学3000年の歴史の中から生まれた配合の妙です。

黒梅とその効果を高める薬膳素材

❖黒梅とは?

黒梅

黒梅は、バラ科のウメの未成熟果実をスモークして乾燥したもので、正式名を烏梅(ウバイ)と言います。烏のような黒色が名前の由来です。

遣隋使として当時の中国に派遣された小野妹子が日本に持ち帰ったと伝えられており、「一日一粒医者いらず」と言われ、昔から重宝されてきました。

漢方では古くから腹痛や下痢、不正出血などに用いられてきています。

成分はクエン酸などの有機酸、ムメフラール、そして梅ポリフェノール。有機酸は梅らしい酸っぱい風味を持ちます。

ムメフラールは日本の科学者が発見した有効成分で、血小板凝集抑制作用と赤血球変形能亢進作用があり、血栓の形成を防ぐと共に赤血球の形状を変え、毛細血管内を通過しやすくするといわれています。これは最強の血流改善作用を示唆しています。

ポリフェノールはワインなどにも含まれる有用成分で抗酸化作用、抗アレルギー作用、免疫調整作用などがあります。 

❖ケイケットウとは?

ケッケイトウ

ケイケットウは、マメ科のつる性植物でムラサキナツフジなどの茎を用いています。

茎を切ると赤い汁が出ることから鶏の屠殺を想像して「鶏血藤」という生薬名が付いたと言われています。

漢方では増血、血流改善、筋力強化等の効能があり、婦人科疾患では月経不順や無月経、不妊症、貧血など、脳や末梢の血管障害では生じた手足の萎縮・無力・しびれ・麻痺などに用いています 。最近の研究で、血液をサラサラにし、血管を拡張して、動脈硬化を抑制する効果が報告されています。

女性が喜ぶ乾燥肌の改善にも効果的。主な有効成分はフェノール成分、鉄分、アミノ酸類です。

❖ウコンとは?

ウコン

ショウガ科の植物・ウコン(鬱金)は、別名を「ターメリック」と言い、カレーの材料の他、根茎は古くから薬用にも供されてきました。

肝機能や胃弱に良いと言われているウコンですが、和漢医学では古くから血流を改善させたり、精神神経を安定させたりする生薬として用いられています。

さらに最近の研究では、血液をサラサラにする抗血小板凝固作用が認められています。

主な有効成分はポリフェノールのクルクミンと言われています。

また、クルクミンには強力な消炎作用と抗アレルギー作用があると内外の学者が学会に発表しています。

❖サンザシとは?

サンザシ

バラ科のサンザの実で、生薬名は山査子と言います。

歴史は古く中国では、食べ過ぎや飲み過ぎによる消化不良を改善するので、油ものを食した後にジュースやスープとして利用されています。また、西洋では血管を拡張し、血流を促進するとされ、高度に濃縮されたエキスが高血圧症や狭心症などの疾患に用いられています。

有効成分としては、ケルセチンやサポニン、オレアノール酸、クエン酸等が知られています。

漢方でも瘀血(おけつ)駆除作用があるとされています。つまり、血液の流動性を良くし、血管を拡張する作用があるのです。

最近の研究でサンザシにはコレステロールの増加を抑え、動脈硬化を抑制することが示唆されています。西洋と同じような使われ方を示しています。

最古の医薬書の「神農本草経」では副作用なく長期に服用できる「上薬」として分類されています。